アニマル・キングダム
2010/オーストラリア/113分
監督:デヴィッド・ミショッド
出演:ベン・メンデルソーン ジョエル・エドガートン ガイ・ピアース
受賞歴:ゴールデングローブ賞助演女優賞・アカデミー助演女優賞ノミネート サンダンス映画祭世界グランプリ
あらすじ
オーストラリア、メルボルンに暮らす17歳の少年ジョシュアは、母の死により祖母ジャニーンの家に引き取られるが、その家に住む親族は強盗や麻薬売人などの犯罪者ばかり。真面目だったジョシュアも徐々に犯罪の世界へ引きずり込まれていく。(映画.comより)
夏りょうこからのメッセージ
死んだ母親の実家に引き取られてみたら、その家は犯罪を稼業にしていた。しかもそれを彼に隠すこともなく、かといって悪さを教えて仲間に引き入れるわけでもない。
わざわざ口止めしなくたって大丈夫。だって家族だろ?
そんな無言の圧力を感じつつ、主人公はそこで高校生活を送り始める。
主人公はまだガキなので、放り込まれた環境で生きるしかない。しかし、そこに染まるかどうかは別の話。だから彼らを観察し、用心深く口をつぐんでいたところ、思わぬ悲劇が起きてしまう。
何よりも一家を束ねる祖母の存在が圧倒的。人の心を見透かすような鋭い眼光と眉間の深いシワがいかにも肝の据わった、しかし、息子たちにキスをねだるようなどこか可愛げのある“ゴッドばあちゃん”で、その強烈な個性が家族の行く末を握っていると一目でわかる。
突然同居人となった孫を受け入れ、距離を保って見守るおばあちゃん。何があっても動じないオーラが、百戦錬磨であったであろう彼女の人生を物語る。悪人ならではの底知れぬ頼もしさよ。
そんな彼女が一族のピンチに本領を発揮するのだが、その姿は母性愛が満ちていて、ああ、彼女も人の親なのだとしみじみしてしまう。
ただじっと板挟みに耐えていたガキが、いよいよ追い詰められてどうするのか。驚いたことに、これは実話を基にしているという。濃厚なのにさらりとした良質なサスペンス。
【お先見!】犯罪にまみれた"獣たちの国"に足を踏み入れる...傑作映画『アニマル・キングダム』のリメイクドラマ 『Animal Kingdom』 | コラム | 海外ドラマ | 海外ドラマNAVI https://dramanavi.net/drama/column/2016/07/post-146.php