Kino

夏りょうこの空想映画館

アリス

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原題:Něco z Alenky

1988/チェコスロバキア・スイス・イギリス・西ドイツ/86分

監督:ヤン・シュヴァンクマイエル

出演:クリスティーナ・コホウトヴァー

受賞歴:アヌシー映画祭最優秀長編アニメーション映画賞

あらすじ

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』を原作に、シュヴァンクマイエル独自の世界観で脚色、映像化した作品。(Wikipediaより)

 

夏りょうこからのメッセージ

アリスがこんなことに!あのシーンがこんなことやあんなことに!

 

さすがはコラージュ映像の魔術師。彼の作品を初めて見る人は、一体何が起きているのかと口あんぐり。ファンはツボを押されまくってニヤニヤ。どちらにしろ、果てしない奇想天外ぶりに目が釘付けになることは確かである。

 

お腹の中からオガクズがザザーっと流れ出すたびに、前歯をカクカクさせるウサギのかわいくないこと。釘や空き缶が散乱する部屋から冒険が始まり、落下はエレベーター状態。たまに人形になってしまうアリスの表情からは、感情が読めない。

 

涙の池を泳いできたネズミが、アリスの頭によじ上って自炊を始めるシーンが衝撃的だ。だって、焚き木の代わりにアリスの髪の毛を刈るんですよ。パロディという言葉で括りたくないクオリティの高さ。生身の人間と人形アニメーションの融合が、ゆがんだ世界を醸し出す。

 

そもそも『アリス』は、シュールでダークな物語だったはず。だからこれが本当のアリス。

 

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