アルゲリッチ 私こそ、音楽!
原題:Argerich
2012/フランス・スイス/96分
監督:ステファニー・アルゲリッチ
出演:マルタ・アルゲリッチ スティーブン・コバセビッチ
あらすじ
1941年、アルゼンチンで生まれ、スイスで育ったマルタは、子どもの頃から非凡な才能を発揮し、12歳でウィーンへ留学。16歳にして数日間のうちに2つのコンクールで優勝を飾り、24歳でワルシャワのショパン国際ピアノコンクールで優勝。その後、あらゆる著名オーケストラとの共演を果たし、世界中で演奏活動を行っている。その一方で、急な演奏会キャンセルや一切の取材拒否、父親違いの3人の娘の存在など、私生活はスキャンダルと謎に満ちている。(映画.comより)
夏りょうこからのメッセージ
情熱的な天才ピアニストの素顔は謎に満ちていた。このドキュメンタリーが公開されるまでは。
この映画の注目すべき点は、監督が実の娘だということであろう。家族だからこそ撮れた名ピアニストの本当の姿。スクリーンには3人の元夫も登場し、女性として母親としてアルゲリッチが今まで何を考え、そして何を語るのか、特にクラシックファンでなくても興味シンシンである。
世界中を飛び回りながら子供をポンポン産み、しかし一緒にいることはほとんどなく、離れ離れに育った親子。父親の違う姉妹がいて、母親はエキセントリックな天才で…子供たちがどんな幼少期を過ごしたのかは想像に難くないが、その娘たちも今では大人になり、過去はどうあれ同じ女性として母親の生き方を受け容れているようにみえる。
ああ、結局変わらなければならないのは、子供の方なんだよなあ。
母と娘たちがマニキュアを塗りあいっこするシーンが、とても好きだ。芝生の上で4人がじゃれあいながら他愛もない話をして、失った時間を取り戻すかのようにくっついて。マニキュアというのがいい。だってお母さんと娘なんだもん。
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