ダンケルク
原題:Dunkirk
2017/アメリカ/106分
監督:クリストファー・ノーラン
出演:フィオン・ホワイトヘッド トム・グリン=カーニー ケネス・ブラナー トム・ハーディ
受賞歴:アカデミー賞作品賞・監督賞ノミネート アカデミー賞編集賞・音響編集賞 ゴールデングローブ賞最優秀作品賞・最優秀監督賞ノミネート
あらすじ
ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍は、戦車や航空機といった新兵器を用いた電撃的な戦いで英仏連合軍をフランス北部のダンケルクへと追い詰めていく。(映画.comより)
歓待のビール
約35万人の兵士たちをイギリスまで撤退させるべく、空から海から手を差し伸べた決死の救出劇。
中でも多くの民間船が動員されたという事実は、「私たちが1人でも多くの兵士を助け出すのだ」という強い思いの現れであり、「無駄死をさせてなるものか!」という国民の叫びが聞こえてくるようだ。
日本の「負け戦でも徹底抗戦して玉砕せよ」とは大違い。
一方、絶体絶命の極限状態にいる兵士たちは、見えぬ敵からの攻撃に怯えながら、がむしゃらに生き延びようとする。そして地獄をくぐり抜けた彼らは、命からがら故郷の土を踏んだ。
でも、戦わずにひたすら逃げてきた自分たちを国民は受け入れてくれるだろうか?ひょっとすると罵声を浴びせられるのではないか?
ところが、兵士たちが乗っている列車の窓から次々と差し出されたのは、大量のビールだった。
それは「よくぞ生きて帰ってきた!」という歓迎の気持ちが詰まったビール。兵士たちはどんなにホッとしただろう。ここは戦場ではないからビールがある。ビールは日常の象徴。そんなことをこのシーンで初めて思った。