歌声にのった少年
原題:Ya Tayr El Tayer
2016/パレスチナ/98分
監督:ハニ・アブ=アサド
出演:タウフィーク・バルホーム ナディーン・ラバキー
あらすじ
紛争の絶えないガザ地区に暮らし、「スター歌手になって世界を変える」ことを夢見るムハンマド少年は、姉ヌールと2人の友達とバンドを組み、ガザの町で歌っていた。(映画.comより)
支配人からのメッセージ
たとえ時間がかかっても、忘れさえしなければいつか叶えることができる。それが夢。平和と未来への希望をのせて、その歌声は人々の心に届いていく。
パレスチナのガザ地区で暮らす幼い姉と弟は、友人とバンドを組み、ホコリだらけの道端で演奏しては小銭を稼ぐ日々。
2人の合言葉は、「スターになって世界を変えよう」。姉は弟の美しい声を絶賛し、彼の才能を心の底から信じている。だから弟は、歌うことをやめない。
夢には具体的な目標が必要。そこで2人が目指したのは、カイロのオペラハウスに出場することだった。
え?そんなことできるわけないでしょ?
でもこれは実話なのだから、本当に驚いてしまう。一体どうやって弟がスター歌手になったのか、彼の歩んだ困難な道が温かい眼差しを通して描かれている。
またこのお姉ちゃんが、物怖じしないポジティブな女の子でねえ。大人しい弟は、しっかり者のお姉ちゃんについていくという関係だっただけに、彼の喪失感は想像に余りある。
自分をまっすぐに信じてくれる存在というものは、これほどまでに心を支えるのだ。それは、どれだけ時が経っても消えることはなく、周りを巻き込んで大きな力となった。
夢はシンプルな方がいい。
彼の歌声がパレスチナの希望そのものだということが、喜びに沸く街の映像からひしひしと伝わってくる。住民にとって彼は他人ではない。あなたは私。私はあなた。奇跡はこうやって生まれるんだなあ。
彼の歌声は、パレスチナの希望そのものだ。喜びに沸く街の映像がスクリーンいっぱいに流れると、ついもらい泣きしてしまいそうに。
人生を変えるオーディション番組よ。バンザイ!
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