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夏りょうこの空想映画館

歌声にのった少年

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(C)2015 Idol Film Production Ltd/MBC FZ LLC /KeyFilm/September Film

原題:Ya Tayr El Tayer

2016/パレスチナ/98分

監督:ハニ・アブ=アサド

出演:タウフィーク・バルホーム ナディーン・ラバキー

あらすじ

紛争の絶えないガザ地区に暮らし、「スター歌手になって世界を変える」ことを夢見るムハンマド少年は、姉ヌールと2人の友達とバンドを組み、ガザの町で歌っていた。(映画.comより)

 

支配人からのメッセージ

たとえ時間がかかっても、忘れさえしなければいつか叶えることができる。それが夢。平和と未来への希望をのせて、その歌声は人々の心に届いていく。

 

パレスチナガザ地区で暮らす幼い姉と弟は、友人とバンドを組み、ホコリだらけの道端で演奏しては小銭を稼ぐ日々。

 

2人の合言葉は、「スターになって世界を変えよう」。姉は弟の美しい声を絶賛し、彼の才能を心の底から信じている。だから弟は、歌うことをやめない。

 

夢には具体的な目標が必要。そこで2人が目指したのは、カイロのオペラハウスに出場することだった。

 

え?そんなことできるわけないでしょ?

 

でもこれは実話なのだから、本当に驚いてしまう。一体どうやって弟がスター歌手になったのか、彼の歩んだ困難な道が温かい眼差しを通して描かれている。

 

またこのお姉ちゃんが、物怖じしないポジティブな女の子でねえ。大人しい弟は、しっかり者のお姉ちゃんについていくという関係だっただけに、彼の喪失感は想像に余りある。

 

自分をまっすぐに信じてくれる存在というものは、これほどまでに心を支えるのだ。それは、どれだけ時が経っても消えることはなく、周りを巻き込んで大きな力となった。

 

夢はシンプルな方がいい。            

 

彼の歌声がパレスチナの希望そのものだということが、喜びに沸く街の映像からひしひしと伝わってくる。住民にとって彼は他人ではない。あなたは私。私はあなた。奇跡はこうやって生まれるんだなあ。

 

彼の歌声は、パレスチナの希望そのものだ。喜びに沸く街の映像がスクリーンいっぱいに流れると、ついもらい泣きしてしまいそうに。

 

人生を変えるオーディション番組よ。バンザイ!

 

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