アナと世界の終わり
原題:Anna and the Apocalypse
2017/イギリス/98分
監督:ジョン・マクフェール
出演:エラ・ハント マルコム・カミング
あらすじ
イギリスの田舎町リトル・ヘブン。幼い頃に母を亡くした高校生のアナは、現在は父トニーと2人で暮らしている。夢も希望もないこの町にうんざりしている彼女は、父に内緒でオーストラリア旅行を夢見てバイトに励む日々を送り、幼なじみのジョンは、そんな彼女の夢を応援しながら密かに思いを寄せている。しかしクリスマスイブに旅行の計画がバレてしまい、アナと父は大ゲンカに。翌日、いつも通り学校へ向かっていたアナとジョンの前に突如として血まみれの男が現れ、ジョンに襲いかかる。(映画.comより)
夏りょうこからのメッセージ
ゾンビとミュージカルがまさか融合するとは。
「女子高校生VSゾンビの青春ミュージカル」というインパクトの強さで話題になったこの作品は、ありそうでなかった異色のミュージカル。しかもイギリス産とくれば、一体どんな味付けがしてあるのだろうと興味がソソられる。
ところが、マイケル・ジャクソンの有名なPV「スリラー」のように、のろい動きをしているはずのゾンビがキレッキレのダンスを踊るわけではなく、ゾンビはあくまでもゾンビのまま。そして歌とダンスも思っていたほど多くないので、あら?ちょっと肩透かしを食らわないでもないが、そこがイギリス流なのかも。
田舎町で暮らす女子高校生が学校へ行こうとしたら、なぜか町中にゾンビが大量発生。しかし、歌いながら自分の世界にどっぷり浸っている彼女は、周りでうごめくゾンビの存在に気がつかない。
結局彼女は、友人たちと力を合わせてゾンビと死闘を繰り広げるが、お決まりの残酷シーンがいかにも作り物っぽいので、ゾンビが苦手な人でも大丈夫(たぶん)。
閉鎖的な故郷から飛び出したいのに父親から反対され、現実との葛藤に苦しむ彼女。ほかにも自分のセクシャリティに悩む同級生もいたりして、ゾンビ問題だけではなく思春期のモヤモヤもしっかり描かれているところに注目したい。
だけどそこは、やっぱりゾンビ映画。もし愛する人がゾンビ化してしまったら?次々と試される愛が切ないのう。
追い詰められた彼女は自分の手で道を切り拓き、血まみれになりながら成長する。つまりゾンビは一種の媒介であり、装置なのだ。う~ん。奥が深い。でも、もうちょっと踊って欲しかったな。
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【出演者インタビュー】https://www.youtube.com/watch?v=5jc1kWCPuB8
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