Kino

夏りょうこの空想映画館

ハックル

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原題:Hukkle

2002/ハンガリー/75分

監督:パールフィ・ジョルジ

出演:バンディ・フェレンツ ラーツ・ヨージェフネー

あらすじ

朝日が昇るとともに、眠っていた大きな蛇が地中から這いだしてくる。蛇が首をもたげると、眼下には緑に囲まれたハンガリーのとある村。生きものたちがやっと目を覚ます頃、まだ物静かな村落に「ヒック!」という大きなしゃっくりの音が響く。(映画.comより)

 

夏りょうこからのメッセージ

ハックル!ハックル!ハンガリー語では「しゃっくり」の音をそう表現するらしい。かわいいね。

 

ということで、この映画はタイトル通り、しゃっくりで始まり、しゃっくりで終わる。

 

朝起きて牛乳を飲んだおじいちゃんは、急にしゃっくりが出てとまらなくなる。外に出てぼんやりベンチに座っていても、ハックル、ハックル…ハックル。

 

くしゃみをし続けるおじいちゃんのそばを、アリがウロウロ。トラックがでこぼこ道を走り去り、虫がブンブン飛び交い、遠く離れた工場では、ミシンがガタガタ動いている。

 

若い女性のウォークマンからこぼれるシャカシャカした音。おばあちゃんが持つ鍬が土とぶつかりあうザックザックという音。日常にあるそれらの音が、心地よいリズムとなって混ざり合い、ふと気がつくと、見慣れた世界がひっくり返っている。

 

それは音だけじゃない。

 

「なんだこれ?」と思った映像が、実は布を縫っているミシンのアップだったり、土の中をはいまわるモグラだったり。

 

しかしおじいちゃんは、何も気がつかない。ハックル。ハックル。ただしゃっくりをしているだけだ。

 

ところが、この一見平和なハンガリーの田舎町で何かが起こっている。なんだかよくわからないけど、すごいことが起こっている。じわじわと忍び寄る謎。とんでもないミステリー。

 

現実ってこんなにシュールだっけ?

 

どこかで見たことのあるような映画が多い中、こんな映画見たことない。

 

それにしてもあのおじいちゃん。もうしゃっくり止まったかなあ。

 

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