Kino

夏りょうこの空想映画館

太陽を盗んだ男

f:id:naturyoko:20200626113122j:plain

発売元:株式会社ショウゲート 税込価格:¥2625 (C)1979 東宝/フィルムリンク・インターナショナル

1979/日本/147分

監督:長谷川和彦

出演:沢田研二 菅原文太 池上季実子 佐藤慶

あらすじ

東海村原子力発電所が一人の賊に襲われた。警察庁長官の「盗難の事実は一切ない」という公式発表に山下警部は疑問を抱いていた。その頃、中学の物理の教師、城戸誠は、自分の部屋で、宇宙服スタイルで原爆を作っていた。(映画.comより)

 

恍惚のビール

物理の知識と材料さえあれば、自宅で簡単な原爆が作れるのかも。荒唐無稽だと知りつつもそんな夢がリアルに感じられる物語。

 

やりがいのない教師生活に飽き飽きしている主人公が、自分の手で原爆という最強の武器を作り出す。

 

その動機はなんだろう。退屈な日常を変えたいから?生きている実感が欲しいから?自分の力を試してみたかったから?単に作ってみたかったから?

 

とにかく彼は狭いアパートで黙々と原爆を完成させ、1人で祝杯をあげる。缶ビールを片手にゆらゆらと踊る沢田研二の色っぽいこと!影のある艶っぽい声と細い体の線。狂気とスレスレの歓喜に浸り、恍惚をかみしめる孤独な男。

 

彼は原爆を手にしたことで神になった。そして最初に要求したのが、ナイター中継を最後まで放映させることなのだから、時代だね。お次が、麻薬で入国許可の下りないローリングストーンズの日本公演!

 

この程度のムチャぶりでいいのか?原爆を持っていても、とりあえず何をしたらいいのかわからないのだから、これでいいのだ。

 

あの時のビールは、どんな味がしたのだろう。

 

関連ニュース

www.youtube.com伝説的傑作カリスマ映画『太陽を盗んだ男』のDVD製作記者会見。 長谷川監督の語る当時のいきさつ。 – CINEMATOPICS