太陽を盗んだ男
1979/日本/147分
監督:長谷川和彦
あらすじ
東海村の原子力発電所が一人の賊に襲われた。警察庁長官の「盗難の事実は一切ない」という公式発表に山下警部は疑問を抱いていた。その頃、中学の物理の教師、城戸誠は、自分の部屋で、宇宙服スタイルで原爆を作っていた。(映画.comより)
恍惚のビール
物理の知識と材料さえあれば、自宅で簡単な原爆が作れるのかも。荒唐無稽だと知りつつもそんな夢がリアルに感じられる物語。
やりがいのない教師生活に飽き飽きしている主人公が、自分の手で原爆という最強の武器を作り出す。
その動機はなんだろう。退屈な日常を変えたいから?生きている実感が欲しいから?自分の力を試してみたかったから?単に作ってみたかったから?
とにかく彼は狭いアパートで黙々と原爆を完成させ、1人で祝杯をあげる。缶ビールを片手にゆらゆらと踊る沢田研二の色っぽいこと!影のある艶っぽい声と細い体の線。狂気とスレスレの歓喜に浸り、恍惚をかみしめる孤独な男。
彼は原爆を手にしたことで神になった。そして最初に要求したのが、ナイター中継を最後まで放映させることなのだから、時代だね。お次が、麻薬で入国許可の下りないローリングストーンズの日本公演!
この程度のムチャぶりでいいのか?原爆を持っていても、とりあえず何をしたらいいのかわからないのだから、これでいいのだ。
あの時のビールは、どんな味がしたのだろう。
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