バッド・エデュケーション
原題:La mala educacion
2004/スペイン/105分
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル フェレ・マルティネス
あらすじ
80年のマドリード。若き人気映画監督エンリケの元に、イグナシオと名乗る青年が映画の脚本を持って現れる。その脚本には、彼らが親友だった少年の頃、寄宿舎で起こったある悲劇が描かれていた。(映画.comより)
夏りょうこからのメッセージ
よくあるゲイの恋愛映画だと思っていたら、頭をガツン!
過去と現在が絡み合い、何重にも張りめぐらされた仕掛けは、真実を隠すためではなくあぶり出すため。愛というものが内包する純粋さと厄介さが、時に陰湿に、時に輝きを持って、私たちに語りかけてくる。
主人公のところへ突然やってきた若者。彼の正体と目的は?2人の間に何があったのか?そのミステリアスな謎解きに引き込まれつつ、どうしようもないやるせなさに心が揺れる。
全ては愛のせい。その愛がいけないんだ。
野心に利用された愛。棘のように抜けない愛。
思わぬことで過去に呼び戻されてしまった主人公だが、それまで彼のことをどう思って生きてきたのだろう。スッキリするわけではないが、悪意と崇高さがぐちゃぐちゃになった激しさが人間らしく、悲劇もまたよし。
そう思わせるのがペドロ・アルモドバルだ。
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