Kino

夏りょうこの空想映画館

メランコリア

 

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(C)2011 Zentropa Entertainments ApS27

原題:Melancholia

2011/デンマークスウェーデン・フランス・ドイツ/135分

監督:ラース・フォン・トリアー

出演:キルスティン・ダンスト シャルロット・ゲンズブール

受賞歴:カンヌ国際映画祭女優賞

あらすじ

姉夫婦の豪華な邸宅で盛大な結婚パーティを開くジャスティンは、皆から祝福され幸福感に満たされる一方、どこかでむなしさも感じていた。(映画.comより)

 

夏りょうこからのメッセージ

巨大な惑星「メランコリア」が地球に近づいている。つまりそれは、地球の滅亡。星の動きに運命を握られ、そこから絶対に逃れられないとわかった時、人々はどのような行動をとるのだろう。

 

望遠鏡を覗き込むたびに一喜一憂する様子が、恐ろしい

 

最初の頃は、自分の結婚式に行けないほど消耗して動けなくなっている彼女のことがさっぱりわからず、そしてその彼女が、メランコリアの存在を知ってから次第に平常心を取り戻していく様子がさらに理解できなかったのだが、そっか、彼女は鬱病だったのか。

 

だからタイトルは、メランコリア

 

彼女のようにいつも最悪な状況を予想している者は、現実が悪化していく過程では、周りよりも冷静な行動がとれるらしい。ということは、そういう時にポジティブ思考は何の役にも立たないのだ。実際に姉夫婦の取り乱しようときたら!

 

絶望的な救いのなさではなく、むしろ諦念の清々しさが伝わってくるこの不思議な余韻。クセのあるラース監督の中では最も見やすい作品だろう。己の鬱病経験を映画に昇華した作家根性があっぱれ。

 

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