殺人の追憶
原題:Memories of Murder
2003/韓国/130分
監督:ポン・ジュノ
受賞歴:大鐘賞作品賞・監督賞・主演男優賞受賞。
あらすじ
韓国で実際に起きた未解決殺人事件をリアルな演出で映画化。86年、ソウル近郊の農村で、同じ手口による若い女性の惨殺事件が連続して発生。地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣された刑事ソ・テユンは対立しながらも捜査を続け、有力な容疑者を捕らえるのだが。(映画.comより)
夏りょうこからのメッセージ
クエンティン・タランティーノ監督が「お気に入り映画トップ20」に選ぶなど、『パラサイト 半地下の家族』(2019年)のポン・ジュノ監督が国際的な評価を受けるきっかけとなった記念碑的作品。
地元の中年刑事と都会からやってきた若い刑事。片やアナログ捜査をモットーとする熱血タイプで、もう1人は科学捜査を信じるクールなタイプだったが、次々と犠牲者が出るわ犯人をなかなか捕まえられないわで、焦りと犯人に対する憎しみが募るあまり、2人の関係性が変わってしまう。
気がつけば、被害者の陰惨な殺され方に震えるほどの怒りを覚え、点滴を打ちながら必死に捜査をする刑事たちを心から応援してしまう私たち。
特に、捜査がギリギリのところで頓挫してしまうのがもどかしく、そんな感情移入が思いっきりできるリアルさも良質なサスペンスの証だろう。
この映画ではとにかく雨がよく降るが(そもそも韓国映画はよく雨が降る)、それにはちゃんとした理由が…どしゃぶりのシーンでは、若い刑事の鬱積した狂気が一気に爆発してカタルシスを味わえる。
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