ゆれる人魚
原題:The Lure
2015/ポーランド/92分
出演:キンガ・プレイス マルタ・マズレク ミハリナ・オルシャンスカ
あらすじ
海から陸上へとあがってきた人魚の姉妹がたどりついた先はワルシャワの80年代風ナイトクラブだった。野性的な魅力を放つ美少女の2人は一夜にしてスターとなるが、姉妹の1人がハンサムなミュージシャンに恋をしたことから、姉妹の関係がおかしくなっていく。(映画.comより)
夏りょうこからのメッセージ
陸に上がった人魚姉妹は、人間を食べたり恋をしたり。
美しい化け物の歌はいかが?
彼女たちには全てが初体験。その刺激が居心地がよくて、ついつい深みにはまりすぎた。
これはあの有名な童話をベースにしたミュージカルなのだが、美しい悲恋物語をホラーにアレンジしたらこんなことに!ショッキングだねえ。面白いねえ。
原作との大きな違いは、2人の正体が最初からバレていることだ。関係者は彼女たちの本当の姿をフツーに受け入れて商売に利用し、一方、本人たちも人気者になってなかなか楽しそう。
「ここは他よりも居心地がいいわねえ」なんてテレパシーで語り合う様子は、これから起こるであろう悲劇的展開を予感させてゾクゾクしてしまう。
さて、話が進むにつれて恋をした彼女の足問題が気になるわけだが、これがまさかのわかりやすい方法で足をゲット。そう来たか!ああ、やっぱりこの子は魚。
80年代に流行ったというダンシング・レストランで流れる音楽がしびれるほどカッコよく、粗削りで予想のつかない演出に頭をガツン。報われない一途な恋の切なさもありつつ、妖しい雰囲気にぐいぐい引き込まれる。
いやはや、あまりお目にかかれないタイプの衝撃作。ポーランド映画の底力を垣間見たような気がした。
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